筋収縮の種類

 

筋肉の収縮様式は、大きくわけて等尺性収縮(アイソメトリック)と等張性収縮(アイソトニック)にわけられます。

 

 

 

 

■等尺性(アイソメトリック)収縮

 

 

等尺性収縮では、筋肉は収縮して力を出しますが関節には動きがなく関節の角度や筋の長さも変化しません。

ですので、等尺性収縮は、静的収縮とも呼ばれています。

筋肉は、関節が動かないよう固定するために大きな力を発揮します。

 

例えば、胸の前で手と手を合わせて力を入れて押し合います。

関節の角度が変わらずに力を発揮しますよね。

動かない壁を押すのも等尺性収縮です。

 

この収縮では、身体の位置によって力の発揮が違います。

 

壁を押すにも、肘を伸ばして押すのと肘を曲げて押すのでは違います。

また、胸の前で手と手を合わせて押し合うにしても、上の部分、下の部分、真ん中で変わってきます。

 

 

 

 

■等張性(アイソトニック)収縮

 

等張性収縮では、筋肉が短くなったり、引き伸ばされながら力を発揮するので、関節角度が大きくなったり小さくなったりします。

等張性収縮は、動的収縮とも言われます。

 

 

筋肉が短くなりながら収縮することを短縮性収縮といい、筋肉が引き伸ばされながら収縮することを伸張性収縮といいます。

 

例えば、

ダンベルを持って肘を曲げていくときは、上腕二頭筋は短くなりながら力を発揮するので短縮性収縮します。

また、肘を曲げたあと肘をゆっくり伸ばしていくときは、上腕二頭筋は伸ばされながら力を発揮するので伸張性収縮します。

 

 

筋肉にかかる負荷は、伸張性収縮 > 等尺性収縮 > 短縮性収縮 です。

 

 

ダンベルを上げていくよりも、下していくほうが負荷が大きくなります。

 

筋力トレーニングでは、2秒ほどで上げていき、4秒ほどで下していくと効果的です。

 

 

 

 

 

■その他の筋収縮 等速性(アイソキネティック)収縮

 

等速性収縮では、運動の速度は一定で、筋収縮が全可動域に生じ、短縮性収縮または伸張性収縮を利用した運動です。

等尺性と等張性は日常の中にある動きですが、等速性は日常にはなく特殊な機械を使います。

自然な運動では、水泳における水中での腕のかき動作が最も近いといわれます。